守銭奴だった母さん

守銭奴だった母さん

なんか昔話のタイトルみたい

金の話になれば途端に表情を変え

「どうしてお前らにそんな金を払ってやらなきゃならないんだ」

っていう、とっても意地悪な顔と態度を僕らに向けたよね

いつもものすごく嫌な気持ちだったよ

自分のそれはさておき

まるで何事もなかったかのように僕らに仲良く接してこようとする不思議

フラットに関われる訳がないよね

・・・

お金には人の意識が出る

不安な人はお金がいくらあっても不安だ

この先どうなるかなんて分からない

売り上げがどうなるかなんて分からない

だけど楽しむんだよ

不安を抱えたままにね

そうやってお金って使うんだよ

みんなで回すんだよ

それって生きたお金って感じがするよね

守銭奴みたいにガチガチにしてても

誰も喜ばないよ

誰も幸福じゃないよ

僕はとっても嫌だったよ

何のために生きてるのか

死ぬ時に貯めてある額がでかい方が勝ちのゲームでもやってるのかい

・・・

妻と出会い、初めて生きたお金を自分に使ってもらえた時、自分で使えた時、感動した。嬉しかった

自分がこんな風にお金を使っていいのだと知らなかった

こんなに喜んでいいんだとか

こんなに望んでいいんだとか

そんな風に生きてなきゃつまらないよね

生きてる意味ないんじゃないのってさえ思う

・・・

とは言っても、自分の中にも守銭奴の気持ちがあってね

妻がよくそんな僕を引っ張ってくれる

そっちじゃないよってね

その度に僕はすごくホッとするんだ